ここからコンテンツが始まります
ここからコンテンツが始まります
「居ても立ってもいられません」
夏の選挙で私は、民主党と自民党の違いについて毎日演説していました。
本質的にどこが違うのか、政党選択だと言うならどこが違うのかと。
それは、財政再建をどう思うか、日米同盟をどう思うかです。

このふたつは、まったく共通点のない対立軸です。
その対立軸についてもっとはっきりさせたい。自民党の中でも
曖昧なことを言う人がいますが、私はもっとはっきりさせたいと。

財政再建は、すぐにやらなければなりません。
消費税の税率アップは急いでも二年後になるだろうから、
二年後に消費税を上げるか、それが無理なら環境税という呼び方もありますが、

財政再建のためには、いまよりも10パーセント上げるというようなことを
しなければならないと、ずっと言っていました。

日米同盟については、世の中の九割の人はこれにひびを入れてはならないと
ほんとうは思っているのではないでしょうか。

わが国の日米同盟を基軸とするというのは、自民党の大前提、党是です。
それは単に自民党、あるいは自民党の中核的な支持者の方々だけではなく
国民の九割はそう思っているのではないでしょうか。

これについては、あまりどうこう説明する必要はありませんが、
反対のことを掲げて民主党は勝ってしまったわけですから、
いったん掲げたものは簡単に降ろせないから、むしろ彼らは苦しんでいる最中です。

そして、民主党は四年間は財政再建をやらないと言っていますから、
このふたつの対立軸は4年間続いていくと思っています。

ただ、日米同盟については心配していたとおりになっています。
日米同盟にひびを入れてもいいと言い出したのは、他ならぬ小沢一郎さんです。

小沢さんがそういう大方針を出したから、いま岡田さんや鳩山さんがその流れで
日米同盟は損なってもいいんだということになってしまっています。
これはだれの責任にもできない、党を挙げてそうなってしまったわけです。

特に沖縄のことを言っています。たしかに沖縄に駐留する米軍が一番大きいのですが
ことさらにこのことを取り上げる。それで、みんな困っている。

困っていることは早晩、どこかで解決するかもしれないけれども
すでに信頼関係のひびは、たいへん大きなものになってしまっています。

もともとアメリカは、ワンサイドで日本を守るということで日本にいるわけで
それは多分、アメリカにとって段々重荷になってきていることだと思います。

そんなことは考えてはいけないけれども、ほんとうは早く手を引きたいと
心のどこかで、ときどき思っているに違いないと思います。

要は、中国とさえうまくやっていればいいのだと、それはできる。
そしたら、日本にそこまで気を遣う必要はないと思っている状態だと思います。

それを、あろうことか日本のほうから、沖縄県外に出ろと言うのは、
「渡りに船」とは言わないけれども、
撤退するのに非常に気が楽になったのは、間違いないと思います。

一方で、東アジア共同体というのは、韓国、日本、中国のことでしょう。
台湾も入るのかもしれませんが、共同体ということを提案しています。

なんの共同体か。経済だろうか。経済の共同体ということからいえば、
EUはだいぶ前に経済の共同体をつくりました。いまは政治統合に入っています。

統合というのは、お互いの貿易の依存度が何パーセントになることを目標とする
経済一体化です。一体にすることが大事なのです。

ところが、すでに東アジアの4カ国は、EUの各国間の貿易依存度、
経済の依存度よりもっと高い経済依存関係にあります。

わざわざ、EUの真似をして経済共同体をつくらなくても、
事実が先行していて、すでに一体化しているということなので、
制度をつくる必要はないわけです。

もうひとつ、それを超えるなにかをやるということは、
FTA(自由貿易協定)をお互いに結ぶということです。

この評価はそれぞれあるかもしれませんが、私などからいえば、
それは慌ててやる必要はないということです。

むしろ、もっと問題なのは東アジア共同体という以上、中国と韓国と
政治統合をするということになります。
経済統合は事実上できているのだから、残っているのは政治統合だけです。

共産主義の中国と日本や韓国が、いったいどうやって政治統合するのか。
それはできない。やってはならない。

これは幻想をあおっているだけの話で、東アジア共同体というのは、
そもそも成り立ち得ない。

中国が共産主義をやめてくれれば、あるいは北朝鮮が共産主義をやめてくれれば、
あり得るかもしれませんが、
そんなことは誰も言っていないわけですから、あり得ない。

一方では中国に接近し、一方ではアメリカと、
そのためかどうかしらないけれども、亀裂をつくっていくことは、
太平洋戦争以来の危機になってゆくかもしれません。

そういうことを見るにつけ、居ても立ってもいられない気持ちになるわけです。
ここでコンテンツが終わります